寝酒のはずのFOURROSESがいい具合にキマってしまった。ので、もう一記事。
音楽家は音楽を作る。画家は絵を描く。けれど、建築家は必ずしも建築を作らない。 建築家が特殊な人種である所以の一つは、実際に建築を建てなくとも建築家と名乗れることだと思う。作品を一つ建てるよりも、論を一つ立てた方が名声を得てしまう不思議な職能だ。 ひさしぶりに読む建築関係の書は、藤森照信の著。この人はどちらかと言えば、後者で、さらに肝心なのは「どちらかといえば」ということ。つまり「いずれとも違う立場」の人間ということに、とても惹き付けられてしまう。 たんぽぽハウスができるまで/藤森照信 建築探偵団と呼ばれる組織を結成し、フィールドワークを中心に活動する建築家、藤森照信。いわゆる一点ものを作り上げる孤高の建築家。とはいえ、人柄は温厚で、著作の文章もおもしろい。本書は自邸である(言葉の通り)たんぽぽハウスができるまでを、主に素材という切り口で追ったもの。 卒業制作なんかの話もあって、挿入されているパースとか、これを小田和正が描いたのかなぁって、ニヤニヤしながら見てしまう。 高過庵/藤森照信 この人の魅力は、なんたって少年の目線で建築を作ってることだろう。手工業的であるだけでなく、さらに発想が極めてリベラルであるから。そこに難しい論ももない。誰もが一度は思ってたであろう、秘密基地の夢をそのままカタチにしてしまうんだから、すごい。 就活をしてて、僕自身もきっとこの秘密基地を作りたいんだなと改めて感じ始めた。かっこいい空間でも、人々に喜ばれる空間でもない。一点ものであるがゆえに利己的とも言われかねない、秘密基地。それでも私は作りたい。シンプルやら洗練なんて掃いて捨ててしまえばいい。 その可能性を見ていくと、むしろ量産とかはたまたキッチュとも思われている世界にこそ、作りたいものはあるのかもしれないとも最近は思い始めた。その人や場所にとっての「一点もの」の可能性は、もっと身近なところにあるのではないかと。 酔った勢いで徒然書いてしまったのだけれど、これはあくまで小生個人が作りたいもので、一般論じゃない。まぁ、就活も、この辺りで慎重に選んでいきたいと思う。今のところは良好だ。 三鷹ジブリの森美術館 / 日本設計・安西デザインスタジオ /Mitaka ,Tokyo シュタムハイム青少年クラブ / Peter Hubner / Stuttgart,Germany
by neko1dozen
| 2007-02-02 04:11
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