小生、5月の keywords : 壁、セルフビルド、原点回帰
というわけで、5月は人生のサイドワーク月間。その第一弾、日本のものづくりを垣間見るツアー。 小生の中で俄かに湧き上がる左官(土壁仕事)ブーム。小生、絶対やったら楽しいってわかってるものを、やらないわけにはいかない。今日仲間を連れ立ち、向かうは川崎にある某左官材料のメーカーへ。壁塗り体験会なるものにお邪魔しに行ってきた。 材料の珪藻土・水を混ぜていく。漆喰や土、火山灰など様々ある塗り材の中で、プランクトンの化石である珪藻土は最近注目の材料だ。水と混ぜて、うぃんうぃんしばらくやっていると、チョコレートのホイップクリームみたいな色と感触になる。 ちなみに、こちらが珪藻土の原石。軽石みたいで、産地で重さ・色がぜんぜん違う。吸湿・断熱・防臭なんかの効果も産地ごとでずいぶん違うのだそうだ。壁材には特に北海道産が向いているという。 材料の混ぜ合わせと、マスキングを終え、ようやく塗り作業。 パレットのような鏝板にネタを盛り、せーので鏝裏にひょいっと載せる(オムレツみたいな要領w) 後は一気に塗りつける。ここは勢いしかない! 全体にネタを広げた後、ここからは仕上げが難しい。2mm程度の厚さで均一になるように、塗りすすめてく。壁とコテの角度が重要で、大きいと塗った土を持ってってしまうし、小さいとコテが土の中に潜りこんでしまう。 簡単にみえて、力の入れ具合がスゴクムズイ。。。 連れの先輩の方がうまい。。きれいに仕上げたところを小生が塗り重ねて台無しにしていく展開。足元にボトボトと泥が落ち、床まで余計に塗れていく。アワアワしてると服も汚れてく… 仲間のブーイングに、不器用ですからと誤魔化しだけがうまくなっていく。なんとなくこの展開は予想していたけれど…やれやれ。 最後に隅を専用の鏝で仕上げる。ここをビシッと決めておくと仕上がりがぜんぜん違って見える。気合のいれどころ。 金コテ、木コテ、ヘラ、ほうき...仕上げ道具も様々で仕上がりの表情は違ってくる。金コテだけでも種類は本当に多い。その昔、左官職人は鏝作りの鍛冶職人のもとに通い、形や焼入れの堅さ、重心の位置ってのを注文しながら、使い勝手のよい鏝を作らせたのだという。木の持ち手の部分は油で揚げて、手になじむように工夫していた。なんだか職人同士の掛け合いなんて、想像するだけでおもしろそうじゃないですか。 マスキングテープを外し、完成(?) 一面にまっさらにむらなく塗るってのは、想像した以上に難しかった。小洒落た居酒屋風、ケーキ屋風みたいなムラを出す仕上がりのはむしろ簡単で、どんな素人だって、それっぽく仕上がる(ごまかせる)。オシャレに仕上げない方が難しいなんて、なんだか不思議な感じだ。 素人普請でやる分には、丁寧に仕上げるというよりも、これは気ままに仕上げるのつもりでいくしかない。思ってる通りなんて早々に諦めて、そこは大胆に。この感じは寝室向き、いやリビング?トイレ?? なんて楽しみながら、やっていくのがよさそうだ。それなら十分できる。 まぁ個人的には模様というよりも、シンプルに仕上げて、そっと小物を埋め込む。あるいは材料の中に一つ隠しネタを練りこむ。そんな「しつらえ」のような壁ができるといい。 連れともども大満足で帰路につく。ん~、楽しかった。
by neko1dozen
| 2007-05-11 23:26
| 東京・建築迷子。
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