奥秩父の盟主、金峰山と瑞牆山を登る。百名山2つを一気に踏破する、なんとも贅沢な週末の始まりだ。 今回は、名門、信州大学山岳部を率いた男、③とパーティーを組む。高校1年で③を山岳部に誘ったのは僕なのだけれど、今では山の経験値は③の方がずっと上だ(おかげ③は留年を重ね、学年はずっと下になった) 個人的な付き合いも長い。友情の形は色々あれど、一緒にバカをするとするならば、小生は間違いなくこの男を選ぶ。そんなご機嫌な腐れ縁なのだ。 途中までガスってたのに、頂上手前で晴れてきた。待ちに待ったBABY BLUE!!青空とともに、ガスの裂け目から、雄雄しい岩々が姿を現す。頂上では、もちろん360°の大パノラコ (誤字ではない!) 伝説は健在だ。 山頂にて。 コーヒーを片手に、明日の目標、金峰山を望む。こちらより400mほど高い。 登頂後の沢水は、はんぱなくうまい。けれど、ビールはすべてを超越してうまい。 ピストンだったので昼にはテント場に戻れた。テントの外にマットを広げ、午後の陽光の下で飲む。三森氏が、ふきみそ(大好物!)をおもむろにザックから取り出す。やるなっ。後はテンションに任せて、高校時代の応援団の歌やら、尾崎やらを歌ってた。そうしてると夜はおろか明日分のビールも底をつきる。気持ちいいから、「いいんだよ~!!」 夜は焼肉、ジンギスカン!ビールがないのは、血中アルコールでカバーする。ご飯の炊け具合もちょうどよく、うまい。 昼間のテンションとは裏腹に、すぐに眠たくなってしまった。PM7:30 就寝。昨日のマン喫泊まりもあって、どっぷりと深い眠りに浸かる。 AM4:30、起床、山の朝は早い。きゅるきゅるきゅる…ねじまき鳥みたいな鳴き声の鳥が鳴いている。つんとした、山の朝の空気が懐かしい。この空気の匂いを感じたくて、泊まりの山行を企画したのだ。 予想以上の朝露と思ったら、日本酒が漏れてた。今回の山でデビューしたmyテント君はあっさりと初浸水(しかも日本酒!)ときたもんだ。びしょびしょの浮かばれないmyテント君はそのままに、AM5:00出発。山頂までは今日もピストンだ。 2500mに満たないところでも、ところどころに雪が残ってる。水たまりに氷が張っていたのでこの季節も夜は氷点下ということになる。GWだったら、アイゼンが欲しかっただろう。キックスペースで③を雪まみれにしながら、標高をかせぐ。 2400mほどで森林限界を向かえ、一気に眺望が開ける。快晴の日は、この瞬間がたまらない。OH CLIMB!! 金峰山のトレードマーク、五丈岩が現れる。もう少しだ。 西に南アルプスの名山が並ぶ。甲斐駒ケ岳がバツグンにかっこいい。中央から左に、甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰三山、北岳、間ノ岳、農鳥岳…所々中央アルプスも頭を覗かせている。夏前に登れば、ぐっと夏山へのモチベーションがあがること間違いない。この夏はどれを攻めよう、だなんて。 憎めないヤツなんだ。 日本一の富士山を俯瞰する。目標のピーク以外、すべて風景は俯瞰されていく、だから山の景観は無敵なのだ。 右手には、昨日の瑞牆山。 五丈岩突破! ぐおっ。 負けるかっ。 登頂! 帰りには、もちろん温泉。それも黒森温泉ってので、思わず一爆笑が起きる。温泉だったり、山頂でのコーヒーだったり、晴天の下のビールだったり、myテントだったり、学生時代はあまりできなかったぜ贅沢さを満喫できた。山もすばらしかったけれど、こういうディテールがいい。 ③に韮山駅まで送ってもらい、そこで別れる。あっという間の2日だったけれど、初めて大人の山付き合いをした気がする。走り去る車の背中に、ふっと尾崎のScrap Alleyのフレーズが浮かんでくる。 Say Good-bye Scrap Alley Say Good-bye 一人ぼっちのアクセル ON 昔の事を思い出して 賛美して 懐かしがるつもりはない これからおまえの生きざまを思う時 おまえの Shout が 聞こえてくるんだ やばい。僕ら、かっこいいかもしれない、としたたかに思った。
by neko1dozen
| 2007-05-22 01:55
| 山での迷子。
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