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セルフビルド 実践篇
前々回のヒアリング調査でお世話になった下伊那の行政の方から「ちょっくら手伝ってみるかい?」とのお誘いを頂いた。小生、ついにセルフビルドデビューの時が来たのだ。

下伊那郡阿智村園原地区、そこで農村公園をセルフビルド(住民自らが施工を行う)するという。ちょっと遠いけれどこれが面白い事例なのだ。何かというと、


○住民が敷地の模型を作って、地域で計画を立てている。
○恵那山をはじめ、豊かな景観資源をもっている。
○地域を担当している行政の人がすごく魅力的。
○小規模で孤立した集落が多い下伊那地方は、セルフビル度高し!

その中でもやっぱり模型が気になった。デザインという言葉にはほど遠いイメージの長野の田舎。世界堂もレモン画翠もない、30°カッターもスチボーもない、デザインを指導する教授もいない。そこで作られる模型ってどんなんだろう、すごく気になった。



さて当日。朝一で東京を出るも現地についたのは12時近くで、いきなり炊き出しの豚汁を頂くところからスタートだった。申し訳なかったけれど、これがうまかった!山盛り3倍おかわりして、満腹で現地へと向かう。

セルフビルド 実践篇_d0065332_2231218.jpg現地 新しく作る農村公園の斜面にモミジを植えるのが今日の作業だ。

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リーダーの方と住民の皆さん

リーダの支持のもと、グループに分かれて作業が進められる。人員は30人余りで、意外に多い。行政の方が5人くらい、業者の方が3人くらい、それに地域住民とひょろひょろの大学院生が2人といったところ。リーダーは地元の方だ。

セルフビルド 実践篇_d0065332_156099.jpg斜面にモミジの苗木を植えていく。事前に指示書が用意されていて、作業もスムーズに進む。


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せい!

適当に見えて、きちんとコツがある。地元の人が丁寧に教えてくださる。みんな親切な人達だ。


午後の作業はすぐに終わってしまい、いささか拍子抜けしてしまった。それでも、いい空気の中での作業は気持ちよかった。東京じゃあ使わない筋肉を使った気がしたしね。

セルフビルド 実践篇_d0065332_2153134.jpg地元の人達は揃って軽トラで乗りつける。小生も苗木と一緒に荷台に乗せてもらったりして、面白かった! 作業が終わると、一台一台と去っていった。



セルフビルド 実践篇_d0065332_2273223.jpg作業の後で、気になる模型を拝見させてもらった。2.0×1.0(m)くらい。やっぱりデカかった。


セルフビルド 実践篇_d0065332_2373098.jpg砂利や枝葉など、シンプルな材料で作られていた。盛られた砂は自由に動かせ、起伏のかたちを決めるまでに重宝したそうだ。

身近な材料を使うこの感じ、見覚えがある気がしなくもない…


チープいうよりも、無駄がない、そう感じた。
上下の移動を表す梯子、樹種を表すために色分けされた樹木…そんな感じで、やろうとすることがそのままに表現されている。、実際のカタチにするのは技術をもった土建屋さんに持ち込んで、教えてもらったそうだ。デザイン演習だったら、「ここ、実際どうなっているの?」って先生のツッコミがとんできそうな模型だけれど、この場に求められているのことにはちょうどいいと思った。

セルフビルド 実践篇_d0065332_2592548.jpg
この模型を囲んでどんな事を語りあったんだろうか。その時に使われる言葉は、僕らがスタディなんかで使う言葉とどう違うんだろうか。



このキャンプ場、造成以外はこれからすべて住民の手で作っていくんだそうだ。手伝いにいったつもりが、とんでもないエネルギーを見せつけられてしまった気がする。いやはや、すごかった。
by neko1dozen | 2007-12-03 03:09
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街と山と猫と        おいしいごはん
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