<   2006年 10月 ( 11 )   > この月の画像一覧
土門拳記念館 + 河原毛温泉 他

少なくとも国内では一番見たかった建築を見に行った、旅最後の日について。

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写真集で見た姿が完璧過ぎたから。朝、不安混じりに車を飛ばす。


d0065332_1225498.jpg雨が降ったり、晴れたりを繰りかえしながら、車はぐ~っと南下する。
秋田の海岸沿い、左手の山々は立ち枯れた松林、海岸沿いは風力発電の行列が延々と続いてる。ぐるん、ぐるん、ぐるんって。どこの国にも例えられない、不思議な風景が流れてく。


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d0065332_1503327.jpg土門拳記念館/谷口吉生



エントランス手前。少し立ち止まって、中庭を望む。



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思ったより小さい建築だった。エンタランスから、主展示室へ、見せ所の回廊をめぐり、再びエンタランスに戻る。中庭が主役で、動線はノグチイサムの彫刻(その名も「土門さん」)を軸に反時計回りにまわる。



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一番の見せ所。池に向かって広がっていく開口部。光の入りがヤバい。

閉じた箱の中から、回廊を通して光を捉える。そんな構成に、思わずカメラの機構を思い出す。きっと、これは考えすぎじゃない(と思う)

↓回廊の脇の枯山水の庭。勅使河原宏による作庭。

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d0065332_2131283.jpg天気が悪かったのが非常に残念なところ。特に水辺の建築なんか、天気次第でまるで印象が違ってしまうから厄介だ。

d0065332_2112436.jpgなにより、カモ?がやたら多い。ガーガーって、それなりにうるさい。


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建築のよしあしってのは未だによくわからないけれど、少なくともモダニズムってのは、自分の性格に無理なく合ってると思う。

いつか、晴れた日にまた来よう。


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山形から再び秋田へ。東回りのルートはかなり正解だった。赤に、黄色に、濃緑に、奥羽の山々がにぎやかだった。

んで、衝動的に寄った河原毛温泉。山が丸ごと温泉という陸奥の秘境。
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このハゲ山をずっと下っていく…

と、温泉が流れる沢が現れる。

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暖かい温泉が絶えることなく流れてく。
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この滝もまるごと温泉なんだから、究極の天然温泉かけ流し。(都会人には、ちょっと持った得ない気もするけれど)

滝つぼがまたいいお湯加減ときたもんだ。


d0065332_2443377.jpgさすがに裸は無理だったので、足湯だけ頂戴した。
d0065332_2423136.jpgあったかい。


いつも思うのだけれど、足湯のある居酒屋ってできたら、間違いなく流行ると思う。孫さんとか、次にやってくれないかな。少なくとも携帯事業よりは赤字にならないはずだから。


d0065332_303050.jpgそのまま秋田駅に戻り、お米電車に包まれて、戻ってきた。


とんぶりや皮内鳥料理、きりたんぽにハタハタ。うまい旬のものをたくさん食べて、たくさん飲んだ。紅葉を湛えた風景もすばらしかった。秋田には名前の通り、どこよりも相応しい秋があった。


なんだか、ほっこりな旅だった。すばらしい、秋田。
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by neko1dozen | 2006-10-31 02:59
白神山地 山行記

旅に出る理由「未踏破の山に登ること」「世界遺産を制覇すること」 そんなわけで、向かった先は世界遺産、白神山地。

世界有数の広さのブナの原生林地帯ということで、日本発の自然遺産に選ばれた白神山地。いささかマイナーな感があるのは、観光地ではないからか。同期の屋久島は登録地域に入れるのに対して、白神山地は核心部は原則入山禁止(というか、核心部は登山道すらない) 原生林保護のため、厳格に入山がコントロールされてて、人を寄せつけない。


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登りにいったのは、核心部間近に位置する藤里駒ケ岳(1157.9m) 麓までは4時間半、レンタカーをとばす。
小生、なぜか助手席。



d0065332_4101746.jpgさすがは世界遺産!登山口へのアプローチも半端なかった。かなりの秘境っぷりで、2台の営林用トラック以外にはすれ違わなかったし、カーナビは途中から道が表示されてないし、なんたって素人だし、案の定レンタカーは傷と泥だらけだし。。
そんなこんなで、登山口到着で歓喜に沸く登山も初めてだ。(その時点で、今日のピークは達成されてたともいえる)


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もう時刻は2時だったけど、登りはじめ。暗い針葉樹林帯を抜けると、一気にブナの樹林帯へ。

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寿命の短いブナの森は、常に更新されている。生きた森だから新芽から巨木まで見ることができる。森に入り込む光の表情も豊かで、歩いてて気持ちいい。


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道中、紅葉を迎えた山桜が香ってた。桜の木が香るのは春だけじゃないんだってこと、初めて知る。



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1時間ほどで、稜線にでた。左手に、今日のピークが見える。


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@稜線歩き
この爽快感ったら!

これだから、山はやめられません。



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夕日に照らされて、熊笹がキラキラ光ってる。


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山頂までは間近。最後の急登。ガレてて、結構怖い。


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@頂上 世界遺産を俯瞰する。
麓の緑から、中腹の黄色、さらに赤へと、グラデーションが描かれる。そっと雪がつもる姿を想像するのも、またオツな楽しみ。
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不思議な模様。こういう模型素材が、御茶ノ水の店で手に入る。

d0065332_4581615.jpg前回の山では、EPIガスを忘れるという大失態を演じた小生、今回は何とか自炊にも成功。献立は、おでんうどん(白く見えるのは、シラタキじゃなく、うどんです) まぁ食べるものはなんでもうまいんだから、山は偉大なのだ。


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秋で大正解の山だった。地元静岡の山は針葉樹林帯が多くあまりいいとはいえなかったから、ブナの森はとても新鮮だった。世界遺産を誰にも邪魔されずに見れるのも、この季節、この場所でこその恩恵だろう。

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友人と11月頭に丹沢に行くほか、バイト先の店長とフリークライミングの話で盛り上がってる。



最近、山熱が再燃しつつある小生。生涯現役でいたいものだ。

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by neko1dozen | 2006-10-30 05:28
僕が旅にでる理由は 大体100個くらいあって
それは、建築だったり、食べ物だったり、地方のローカル線だったり、遠い地にすむ友人だったり。いつも一つとは限らないし、旅に出てから気がつくこともある。あるいは、理由なんて、一歩目を踏み出すだけのためにあるのかもしれないけれど。

「47都道府県、すべての地を踏むこと」 今回の旅は割とわかりやすい理由から始まった。秋田と山形。地味に未踏査だった陸奥の2つの県をめぐってきた。


d0065332_1436429.jpg上野駅。お米のパッケージみたいな電車に乗って、

d0065332_14375766.jpg仙台を越えて、

d0065332_14392988.jpg盛岡や小岩井をこえて、


d0065332_1438746.jpg坂茂設計、木とガラスでできた田沢湖駅ではちょっと降りて、


d0065332_14432263.jpg旅のお通しがてら、田沢湖にも寄った。


d0065332_14473238.jpg湖岸を囲む山々はモコモコの暖色になってた。その先に、長い冬が待ってる。

d0065332_14474266.jpg水鳥たちも冬支度で忙しそうだった。

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d0065332_14562648.jpgさらに、西へ。

d0065332_1595320.jpg角館、武家屋敷群。
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下手な写真しか残せなかったけれど、実物はほんとにいいです。以下、角館のまちにて。

d0065332_14575269.jpg田舎の象徴、山崎ショップ! デイリーストア→デイリ-ヤマザキ→ヤマザキショップの順で、田舎度は加速していく。 

d0065332_14563553.jpgおもちゃ屋さん。戸窓の配置とか意味不明なグリッドパタンとか、とにかく粋じゃないですか。


今回の旅は抜群に充実してた。きりたんぽや比内鳥は悶絶にウマかったし、史跡も建築発見だらけ。初心者ドライブもかなりファンキーで素敵だったし、念願の白神山地にも登れた。東北の人々はみんな暖かかった。たった3日間の旅だったけれど、これまで知らなかった「旅をする理由」がじゃんじゃん湧き出てくるようだった。旅が豊かになっていく。

d0065332_15423743.jpg大曲駅/鈴木エドワード



旅がしたい、と思うこと。
旅の目的地を増やすことも楽しいけれど、「旅をする理由」を増やすこともきっと素敵なことだ。





(次回、ようやく旅の中核へ。世界遺産の白神山地を登る!の他、土門拳記念館、河原毛温泉の感想を少し。)
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by neko1dozen | 2006-10-29 15:12
風の強い日に聞いた、ある構造エンジニアの話。

浜松の実家の庭に西武新宿線が直結していた。さらに、実家のそばの川辺にはWest8の新作ができた。デザインもなかなかよくて、うれしさのあまり僕は研究室の機械器具費でクルーザーを購入する。
そんな夢みたいな夢から覚めると、外には強い風が吹いていた。



今日は人の話を聞きに行ってきた。講演会の数をいうならば、うちの大学は恵まれていると思う。世界をまたにかける著名人まで、徒歩5分。いまだに好きにはなれない大学だけれど、それだけはありがたい。

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佐々木睦朗。構造エンジニアのお話。伊藤豊雄やSANAA、磯崎新なんて、第一線を走る建築家の作品を、文字通り支えている大物。ファッショナブルなイメージを持ってたけれど、いいおじちゃんである。思うに、建築家ほど、職能(作風)と顔が一致しない職業もないかもしれない。


さて、内容について。自らの作品と影響を受けた作品を交互に並べてくものだった。前者は仙台メディアテーク、札幌ドーム、金沢21世紀美術館、ぐりんぐりん、瞑想の森市営斎場、梅田スカイビルなどがあげられ、後者は代々木体育館、ルノー配送センター、サグラダファミリア、バルセロナパビリオンあたり。

構造計画の概要や、施工中の風景なんかのスライドが面白かった。特に、瞑想の森市営斎場の型枠には驚いた。3次元にランダムにうねる型枠は、それだけで現物にまけないほどにきれいだった。

d0065332_159509.jpg瞑想の森市営斎場(岐阜県各務ヶ原市)/伊東豊雄

去年にできたばっかりの斎場建築。他人の用で行きたくはないし、まさか自分自身が逝くわけにもいかない。遊びでもなかなか見には行きづらいスポットである。これと、E.G.アスプルンドの森の斎場は、どちらもいつかは行ってみたい。



なにより一番面白かったのは、伊東豊雄への愚痴だった。「あの人はイメージだけでリクエストするから…」「構造はぜんぜんわかってないから」なんて、苦笑交じりに愚痴る。結構ぐちる。
とはいえ、その姿は夫を愚痴をこぼす主婦のようで、なかなか聞いていてほほえましいかったりする。お互いを解り合ってるから、言えるんだろう。独創性の建築家と現実的な構造家、その2人の役回りに、現代の典型的な夫婦が重なって見えた。


d0065332_222574.jpg仙台メディアテーク
ランダムに重ねられたスラブ(床)はわずか40cm!造船技術までも駆使して作られている。それを支える鋼管の束もランダムで、全体で鉛直荷重を支えるほか、四隅の網目の束は水平荷重(地震時)も支える構造。束の中空部分は、採光や空調、エレベーターなんかの縦の動線の役割を果たしている。たった直径20cmのパイプに、2000tもの荷重がかかっているというから驚き。
この夏の旅では、本当にこの作品をよく見た。ポンピドゥーセンターでは模型が展示され、各地のミュージアムショップでは作品集として必ずおかれている。睦朗さんは、代々木と並ぶ日本近代建築の名作品って、自分で言ってた。

実物も、去年の秋のコンペ作品提出がてら、見に行くことができた。この建築を見ることができたのは、コンペの陰なる成果かもしれない。当時のレポート↓
仙台迷子


思ってた以上に、構造家の役割は大きいことを知った。これまで、構造家は与えられた問題に対して優れた回答はできるけれど、問題自体を作り出すことはできない、そんな風に考えていた。あくまで建築家の下請けを淡々とこなすもので、自らの作風を作品に表現できないものだって。けど、話を聞いてみると、予想外に自分の建築観や設計思想(ある意味偏屈的でもあった)を持ち、構造として自己表現を達成していた。




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金沢21世紀美術館/SANAA

老若男女とわず、日本で一番心がときめける建築(だと思う)。素材の話が中心だった。美術館を囲む曲面ガラスは、中の構造と同じくらいのお金がかかってるんだとか。見積もりでは、一枚でポルシェが買える。ポルシェの行列が美術館を囲んでいる、そんな笑い話も飛び出した。


詳しくはバックナンバーにて


世界的な構造家も、ポストモダンが大嫌いで、80年代は建築と距離を置いて華道を勉強してたらしい。肩書きの割りにチャーミングである。結局のところ、すごい人はすごいのだ。




追伸 夢で見たWest8の川辺のデザインは、ほんとにきれいだった。実存していないのが残念に思う。忘れないうちに、スケッチしてとっておこう。
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by neko1dozen | 2006-10-25 02:56
猫×缶詰×西洋スイカ

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絶妙。





ベルリンのどっかの美術館で買ったポストカードより。
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by neko1dozen | 2006-10-18 01:53
Haruki Murakami 

残念ながら、ノーベル文学賞は受賞ならず。でも、ちょっとやっぱりね、と思ってしまった。初期の2作の小説では芥川賞の最終候補に残るも落選、直木賞もいまだ受賞していない。ここぞって勝負の弱さ(ちょっとディープインパクトの姿と重ねてしまうのは僕だけなのかな)…  それはともかく、残念。


文壇からの低評価の一方で、圧倒的な人気は間違いない。先日の旅では、各国の書店で「海辺のカフカ」が平置きされていたし、夜行で居合わせた韓国人の旅人も「ノルウェイの森」の英訳版を抱えてた(小説中の大学に通ってることや、実在の寮に遊びに行ったこともある…なんて話したら、ずいぶん喜ばれた) 小生自身も旅中も我慢できず、英訳版を一冊買ってしまった。


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『ニューヨーク・タイムズ』の「"The Ten Best Books of 2005"」に選ばれた、「海辺のカフカ」  右は日本版、左はタイで買った英訳版。

言葉は異なれども、どの国でも表紙には猫!ドイツ版がかわいかった。




ざっと説明すると、村上春樹の小説はざっくり3期にわけられる。都市とそこに生きる若者を描いた第1期(「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」)、ちょっとSFやホラー要素の目立つ第3期(「ダンスダンスダンス」「国境の南、太陽の西」「ねじまき鳥クロニクル」「海辺のカフカ」)。そして、この2つの中間期(「羊をめぐる冒険」「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」「ノルウェイの森」)
中間期以降の作品はストーリー性が重視されていて、入りやすい。新鋭作家らしい作風の第1期は初めてだと抵抗がある。後の「羊をめぐる冒険」や「ダンスダンスダンス」を含めて4冊の連続した物語なので、先にこっちを読んで、エピソードとして第1期を読むのがいいかもしれない。ちなみに、最新作の「アフターダーク」は第3期とは距離を置き、再び都市が描かれている。第1期とも違った新展開だけど、つまらないのが何よりの欠点。


d0065332_8102292.jpgヴォリュームにも内容的にも、初めて読むならやぱり「ノルウェイの森」ってことになる。文章の読みやすさの影に複雑な時間操作と対比的な人物描写が隠れていて、読むたびに発見がある。下巻の主人公がハツミさんを思い出すシーンは何度もぐっと落とされてしまう。
ちなみに、赤緑の派手な装丁に加えて単行本のオビは金と銀だったこと、海外滞在のため編集者に飼い猫を預かってもらうかわりに書き下ろされた一冊であること、など逸話はつきない。


とはいえ長編小説のレビューは幾らでも転がってるので、それ以外のオススメをあげてみる。

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カンガルー日和
超短編が18こ、わけもなく楽しい一冊。日曜の昼に飲むビールのつまみに最適。

d0065332_833556.jpg空飛び猫
羽が生えた猫を描く絵本(翻訳)。無敵のキャラクター設定の一方、猫がちょっと不細工なのが難儀なところ。

d0065332_847814.jpg使い道のない風景
我こそは旅人!って人に、ぜひ読んでもらいたいフォトエッセイ。短い言葉に込められた、旅・風景観に共感。俄然、オススメ。

d0065332_8261482.jpg村上朝日堂
エッセイとしてシリーズ化している村上朝日堂シリーズの1作目。村上春樹の猫依存性が垣間見えて、たまらない共感をもたらす一冊。安西水丸の力の抜けた挿絵もgood。

d0065332_8223332.jpgまたたび浴びたたま
〈あ〉から〈わ〉まで、回文かるた集。タイトルのほか、「そうよ、私、したわよ……嘘」なんて回文(怪文)も。おすすめ(したかっただけ)




長編小説はどれも3回以上は読んでるし、エッセイや翻訳書も繰り返し読んだ。正確に数えたことはないけれど、関係本は80冊は持っている。走ることが好きになったこと、旅先をギリシャにしたこと、動物園に通うようになったこと、日常の「やれやれ。」が増えたこと、洋楽を聴くようになったこと、ここら辺は完全に影響を受けたと思う。まったく、やれやれ。

けれど、なんだか自分がファンであるかって言われると素直にyesって言えない。おそらく、他のディープな読者も感じてることじゃないのかな。村上春樹の難解なストーリの割りに文章は読みやすく、浅くはまりやすい。世界観も閉鎖的で、前に進めなくなりそうな不安を感じる時もある。ある種の距離感を持って読んでかないとちょっとアブナい、読み手が試される作家だと思う。


小生はたぶんダメでした。くれぐれもお気をつけて。


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どうでもいい追記:先日行った多摩動物園のカンガルー。暖かい秋の日の夕暮れは、最高のカンガルー日和だった。カンガルー、実は半日みても見飽きないほど奥深い動物であることに気がつく。この秋いちおしの動物。
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by neko1dozen | 2006-10-13 09:10
Francis Scott Key Fitzgerald、再読。
スコット・フィッツジェラルド。 このアメリカ作家の作品はずいぶん前に読んだけれど、特別な印象は受けなかった。そもそも短編はあまり好きじゃないから(この作家は短編作家)、ざっと読んですぐに棚に戻してしまった。それがどうも気になって、先日の旅でざっくりと読み返そうと思ったわけだ。


再び読んでみて。
おもしろかった。めからうろこ、本当におもしろかった。小生、小説では久々に「出会い」を感じてしまった。(なんで1回目には気づかなかったんだろう?)

作風は悲観的で単調だし、得る教養なんてものもない。だけれど、時折織り交ぜられる絶妙な言い回しと比喩に、ぐぐぐっと言わされる。
飲みながら読むと、これがたまらないツマミなのだ。つまみでいえば、一味のスルメ。単調だけど、唐突にピリっときたり。読み終わった後も余韻がいつまでも心に残していく。


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読んだのは、「バビロンへ帰る」、「マイロストシティ」、「スコットフィッツジェラルド短編集」の3冊。前2つが村上春樹訳で、あと1つは野崎孝訳。
後に知ったのだけど、この経験を村上春樹もしたらしい。なんだか気になって再び手にし、今では翻訳もするほどのファンになったんだとか。とにかく、なんだか不思議な作品なのだ。


ちなみに、いくつかの短編は複数から翻訳されている。読み比べてみると、野崎孝が忠実な表現なのに対し、村上春樹は表現の柔軟な包容力が光る。まぁ慣れているということで、村上春樹がやはりいい。「氷の宮殿」という作品の最後あたりは脚色過剰といわれるかもしれないけれど、作家への思いゆえの表現なんだと思う。

フィッツジェラルド、非常にいいです。
さて、今度村上春樹についての記事を一発入れておきたい。近々…たぶん。
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by neko1dozen | 2006-10-11 04:43
とろけるランドスケープ(オランダ、ロッテルダム)
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芝生が運河にゆったりと落ちていって、そのままとろちゃった。

(オランダ・ロッテルダム)




d0065332_423151.jpg水面には水鳥たちが浮んで、路面電車がてけてけ走ってく。


d0065332_4234073.jpgヨーロッパの各所でLRT(路面電車)軌道の緑化工事が進められてた。このロッテルダムしかり今年開通のパリにしかり。

d0065332_4222750.jpg都電の風景も好きだけどね。学習院下の坂道や面影橋のあたりだけでも緑化したら、さぞかしきれいなんだろうな。運河はないけど、桜で勝てる。

d0065332_4405029.jpgちなみに、ここはロッテルダムの中心地、この前紹介したクレーンの広場の脇に流れている運河。ぜひともオススメ。


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ちなみに、夜はこんな感じ。予想外にライトアップは攻めてます。




さて、日々は現実に戻りつつあるわけで、今夜は久々の模型徹夜になった。24→通販→めざにゅー→めざましコース。ヅラまでには寝たいところ。

d0065332_4375053.jpgバイト先のお持ち帰り仕事、ボスのなかなかのマニアックな要求に涙やら涎やら。あぁ、とろけそう。
(バイト模型なので残念ながら掲載はNG。現物がダメなら、せめて残骸だけでも)
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by neko1dozen | 2006-10-06 04:46
re-tsurismo (建築レビュー編)

まずは好きなものから。

近・現代建築はオランダ・ドイツをメインに、ほぼラスト10日間でこなした。道中はほとんどダッシュ、お目当てにタッチでまたダッシュ。少なくとも走りに関しては申し分ない内容となった。見てきた以下のとおり。

==ギリシャ=============================
⇒アテネ


d0065332_315112.jpgオリンピックスタジアム /サンディアゴ ・カラトラバ

お空まっ青のごちそう建築。けれど、あのオリンピック以降は公園にもされずに放置されたままになっている。ちと、もったいない。


==チェコ===============================

⇒プラハ
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ナショナルネーデルランデン・ビル /フランク・O・ゲーリィ

別称はダンシングビル。なんだか踊られてる周りの建物が迷惑そうだった。


==ドイツ===============================

⇒ベルリン

DG銀行 /フランク・O・ゲーリィ
ギャラリー・ラファイエット /ジャン・ヌーベル
ハンバーガー・バンホーフ現代美術館 /ヨーゼフ・パウル現代美術館
バウハウス アーカイヴ /ワルター・グロピウス&アレッククヴィジャノヴィッチ
シュトレゼーマン通りの集合住宅 /ザハ・ハディド
ポツダム広場“ダイムラーシティ” /レンゾ・ピアノ他
ナショナルギャラリー /ミース・ファン・デル・ローエ
ウィリーブランドハウス /ヘルゲ・ボフィンガー
ベルリン中央駅 /マインハルト・フォン・ゲルカン

d0065332_381415.jpgドイツ連邦議会新議事堂 ”ライヒスターク” /ノーマン・フォスター

この建築については改めて。なんたって、すごいから。



d0065332_405251.jpgポツダム広場“ソニーセンター” /ヘルムード・ヤーン他

裏手の広場のシーソ。10mを超える巨大シーソに、漕ぐのもちょっとした共同作業。大声を出しながらカップルはみんな楽しそう。実はこれ、絶妙な距離感なのかもしれない。


d0065332_3265614.jpgユダヤ博物館 /ダニエル・リベスキンド

ユダヤ迫害の歴史をつづる、傷だらけの美術館。その設計者はWTCの再開発にも携わることになった。内部空間も、何度も立ち止まるほどにドラマチックだ。


d0065332_3141845.jpgホロコースト記念碑 /ピーター・アイゼンマン

延々と続くコンクリートの碑の中を縦横に歩く。場所も時間も忘れて、行き場のない思いをぐるぐると廻らす。建築に興味がない人でも、この国の歴史を知らない人にも、是非一度身を埋めてみてほしい。


⇒ドレスデン
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UFAシネマセンター /コープ・ヒンメルブラウ

ギュウィーン、っと。
CADのソフトでよくこういうミスり方をする。すぐさまctrl+zな建築。傾いたガラスの下に添って近所の人たちが歩いてった。それが民家の軒先のような風景だった。ぱっと見怖いけれど、意外に愛されてるのかも。



⇒デッサウ
バウハウス デッサウ(マイスターハウス) /ウォルター・グロピウス

⇒エッセン
d0065332_3365066.jpgレッドドットデザインミュージアム /ノーマン・フォスター

世界で最も美しいと呼ばれる炭坑。閉坑後は廃墟となるも後に世界遺産として登録され、一部はミュージアムとして生まれかわった。廃墟好き、メカ好きはよだれ拭き必須のスポット。ミュージアムは建築系でおもしろく、ランドスケープの特集をやっていた。

⇒シュトゥットガルト

ヴァイセンホーフ・ジードルンク団地 /ミース・ファンデルローエ他
シュターツギャラリー /ジェイムス・スターリング

d0065332_434339.jpgシュトゥットガルトの展望塔 /ヨルク・シュライヒ

街を歩いてて、たまったま見つめたコレ。もしかしてと思ったらビンゴ! シュライヒの展望塔。真ん中の柱が落ちようとする回廊を支え、折れ曲がろうとする柱を回廊がぐっと横から支えている。完璧な構造はとてもスレンダーできれいだった。でも、すごい揺れる。


d0065332_3413763.jpgシュタルハイム青少年クラブ /ペーター・ヒューブナー

図面はなにもなし、作りながら考えるというセルフビルドによる建築。誰もが驚かされる玄関に、地面と一体となったエコロジカルデザインの屋根、美しいモザイクタイルと見所いっぱい。建築もさることながら、ここのおかみさんもやさしい人だったっけ。



==フランス================================

⇒パリ
ポンピドゥーセンター /レンゾ・ピアノ&リチャード・ロジャース
ソルフェリーノ橋 /マーク・ミムラム
カルティエ財団 /ジャン・ヌーベル
ユネスコ瞑想空間 /安藤忠雄

d0065332_4175884.jpgサヴォア邸 /ル・コルビジュエ

訳あって、晴・曇・雨すべてのサヴォア邸を見ることができた。エピソードを含めてもまた今度。



⇒リール
ユーラリール開発計画 /レム・コルハース他

==オランダ================================

⇒アムステルダム
サイエンスセンター “ニューメトロポリス” /レンゾ・ピアノ
ビザンティウム /レム・コルハース
アイタワー&ショッピングセンター”ブラジル” /ノイトリング・リーダイク
KMSM島集合住宅 /ヨー・クーネン 他

d0065332_413865.jpgボルネオ・スポールンブルグ島集合住宅 /West8

CGでは見たことあったけれど、ほんとにあるんすね。ちなみに、へんてこな橋がは近くにもう一つ。ここでのエピソードの後の記事で。


d0065332_3513054.jpg100戸の老人用集合住宅 /MVRDV

あまりの感動に、現地から生でお送りした集合住宅。100戸という需要に対し、法律の高さ制限などから87戸しか建設ができなかった。んで、残り13戸を宙釣りにしたっていう集合住宅。話は確かにわかりやすい。


⇒ロッテルダム
オランダ建築家教会 /ヨー・クネン
クンストハル /レム・コルハース
エラスムスブリッジ /ファン・ヴェンケル&ボス
メガシネマ /クーン・ファン・エゲラード
ヴィルヘルミナプレイン地下鉄駅 /ツヴァルツ&ヤンスマ
橋管理人のコントロールセンター /ボーレス+ウィルソン

d0065332_4283811.jpgシティシアタープラザ /West 8

ロッテルダム中心の広場。周りはとってもきれいな運河が広がってる。広場は「クレーンは照明で、子供たちでも自由に操作できる」って、聞いてたけれど… 全部壊れてて動かなかった。ベンチは取り合いになるほどの人気っぷり。


⇒ユトレヒト
ユトレヒト大学エデュカトリアム /レム・コルハース
ユトレヒト大学経営経済学部棟 /メカノー

d0065332_465418.jpgユトレヒト大学ミナエルトビル /ノイトリング・リーダイ

コルハースのエデュカトリアムがメインで、ついでに寄ったはずだった。けれど、またこの建築がすごかった。中があんなことにね。。これも改めて。


⇒ティルブルグ
ティルブルグ駅 /ファンデルガースト
d0065332_4474259.jpgインターポリスガーデン /West8

首を傾げながらさんざん歩いた後で、ようやく見方がわかりました。上から眺めるための公園なんだ、っと。そんな初めての経験。


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こんなところか。詳しくはまた。ランドスケープ、公園、町並みについても、また今度取りあげます(っていつになるんだろう、やれやれ。)
ちなみに「コレ、気になる」って建築があれば、リクエストお待ちしてます。
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by neko1dozen | 2006-10-03 04:39
re-turismo


後に残す意味でも、ちょっとこの旅については諸々しっかりと書いておきたい。ので、筆不精ながら、いっちょ頑張ってみようと思う。まずは、日程から。

○成田出発(1日)
d0065332_3351542.jpgd0065332_218482.jpgd0065332_3353132.jpgd0065332_219476.jpgd0065332_2191994.jpg


○タイ(1-3日)
バンコク→アユタヤ遺跡→バンコク
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○ギリシャ(4-9日)
アテネ→サントリー二島→アテネ→テッサロニキ
d0065332_229554.jpgd0065332_2291579.jpgd0065332_229307.jpgd0065332_2294039.jpgd0065332_2295034.jpg


○ブルガリア(10日-12日) 
ソフィア→リラの僧院→ヴェリコ・タルノヴォ
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○セルビア・モンテネグロ(13日)
ベオグラード
d0065332_317931.jpgd0065332_2375261.jpgd0065332_2375812.jpgd0065332_2381525.jpgd0065332_238470.jpg


○ハンガリー(14-15日)
ブタペスト
d0065332_242114.jpgd0065332_2421277.jpgd0065332_242455.jpgd0065332_243132.jpgd0065332_243942.jpg


○チェコ(16-17日)
プラハ
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○ドイツ(18-20日)
ベルリン、ドレスデン
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○フランス(21-22日)
パリ、リール
d0065332_2544341.jpgd0065332_256537.jpgd0065332_2545172.jpgd0065332_255227.jpgd0065332_2553135.jpg


○オランダ(23-25日)
アムステルダム、ロッテルダム、ティルブルグ、ユトレヒト
d0065332_345862.jpgd0065332_35713.jpgd0065332_351670.jpgd0065332_352596.jpgd0065332_353326.jpg


○ドイツ(26-28日)
ケルン、エッセン、ミュンヘン、シュトットガルト、フランクフルト
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○成田帰国(29日)

前半ででれんと休ませてもらって、中盤でじっくりと都市を見て、後半でガツガツと建築を見る旅だった。特に後半は走った。25キロの相棒とともに走った。日数よりも滞在都市が多い(ミラクル!)のはほぼ建築目当てで、実際には駅と目的物しか見てなかったり。

何からまとめればいいのかな。出会った人々のこと、建築のこと、食べ物とお酒のこと、国を比べて感じたこと、街のこと、街で見た猫のこと、旅とは別に考えてたこと、旅中に読んだ本のこと、遺跡のこと、遺跡でみた猫のこと…etc ほんと多いな。ひとまず混乱しているので次回から。猫なりにがんばります。
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by neko1dozen | 2006-10-02 03:15 | 旅・建築迷子。


街と山と猫と        おいしいごはん
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