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風景と覚悟

「枯れて悲しむ子供の顔を見たくないから、花は植えないでほしい。」

担当している公園のワークショップで聞いた、ある女性の言葉だ。驚いたけれど、問題の本質を突いている気がして笑えなかった。
いかに誰の邪魔にならない空間にするか、そこに話が終始するワークショップは見ていてしんどい。水、緑、鉄、レンガ…etc、風景を豊かにする力をもったエレメントこそ、ことごとく敬遠されてくし、その空気の中じゃあ、私が花の世話をしましょう!とは話も進みにくい。えてして、どこにでもあるような最小公約数的な風景が立ち上がる。当然の筋書きだと思う。

それでも、なんだかんだでワークショップは穏やかに進行してく。誰もなんとなく空気を呼んで、ごまかすような笑いを誘うから。あるいは、そこにこそ本当のたちの悪さがあると思う。いっそ、納得がいくまでポコポコ殴り合いでもすれば気持ちいいのに…とも思うけれど、ムリだろうか。ここでは豊かな風景のために背負う覚悟なんて誰も持ち合わせてないから、握る拳もない。もちろん我々も含めて。



いやはや、気楽にやってるつもりだけれど、風景学・実践篇は想像をこえてムズかしいみたいだ。
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by neko1dozen | 2008-08-29 23:56
尾道・宮島水中花火大会・犬島アートプロジェクト

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d0065332_14255929.jpg尾道(広島県)

坂と海と猫と電車と空と人と。
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d0065332_14352315.jpg宮島水中花火大会

玉数こそ少ないけれど、こった花火が多かった。おぉ!っと歓声に、花火職人のにんまりする顔を思い浮かべた。08.08.14


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d0065332_14541878.jpg犬島(岡山県)

瀬戸内に浮かぶちっぽけな島。花崗岩の名産地で、ここで採れた石はかつて大阪城や岡山城の築城に用いられたとか。海岸が色とりどりの花崗岩の端きれで飾られてた。あと、犬より猫が多かった。
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d0065332_14444100.jpg犬島アートプロジェクト「精錬所」

犬島内の旧精錬所を再利用したアートプロジェクト。直島の兄弟プロジェクトとして、今年オープンした。遺構部分の煉瓦は、胴の副産物でできたカラミ煉瓦っていうらしい。建築のゾーンは三分一博志設計、柳幸典のアートが収められている。
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by neko1dozen | 2008-08-23 15:06
鞆の浦 (広島県福山市)
瀬戸内の、まんまるな港町を訪ねた。

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鞆の浦は、世界に3つしか現存しない自然の円形港湾をもつ街。かつては海運の要所で、今も町屋、波止場、雁木、焚場、常夜灯、船番所などが各所に残る美しい街だ。最近では崖の上のポニョのモデルになったとも言われている。
ちなみに、鞆の浦のある福山は卒業論文での初取材の地であって、まさに鞆の隣町に事例の道路がある。バスから眺める風景はどこか懐かしくて、入りから泣きそうになっていた。


d0065332_22284798.jpg港の風景
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d0065332_22312425.jpg海に面した街並み
d0065332_22382212.jpg街に面した船並み
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d0065332_2256553.jpg街の不思議な空間。椅子はみな海に向けられている。

d0065332_2232785.jpg海沿いに立つパン屋さんは古きよき街のパン屋といった趣き。

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店をぼんやり見ていたら、この家の人が店の中(というか、おうち!)に招いてくださった。
店の玄関からタタキがずーっと続き、海まで一直線に伸びていた。その両側に台所や居間が並び、すうっと気持ちのいい風が流れてった。どんな建築家でも、こんな素敵なプランは描けますまい。

d0065332_23195552.jpg突き当たり、海に面したベランダでヒマワリが揺れていた。

ちなみに、家の中ではちっちゃい子達が遊んでた。聞くと、宮崎駿監督もこの店によく通ったらしく、もしかしたらこの子達も映画のモデルになったのかもしれない。



鞘の浦の内陸部は伝統的な街並みが残る一方、海岸部は割と昭和的な民家が多かった。どちらかといえば後者に強く魅かれた。穏やかなヒューマンスケールの海で暮らす風景はベネチアのようでもあったし、どことなく生活感が漂う風景はインドガンジス川バナラシの街も思い起こさせた。いずれにせよ、これこそがかつて当たり前だった日本の海の風景なのだ。

さて、この美しい街と穏やかな水面が今大きく揺れてる。
湾の半分を埋め立て、バイパス道路を建設する計画が急ピッチで進んでいる。まさに、このヒマワリの目の前の海が埋め立てられて、トラックが走ろうとしている。
残念を越えて、もはや息苦しい。風景とか景観だとかの言葉を超えて、守りたいモノを目の辺りにした気がした。本当にこの街だけは守りたい。


□参考サイトへリンク

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by neko1dozen | 2008-08-20 23:49
しまなみ海道 縦走
広島の尾道から、しまなみ海道を経て、愛媛を目指した。


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d0065332_20542879.jpgしまなみ海道は本州と四国を結ぶ3ルートのうちの1つ。風光明媚な芸予諸島を渡るルートで、道中の橋は10本、歩行者・自転車も通行可能という珍しい道路だ。
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d0065332_2048306.jpg橋の前後は高低差が大きくて、中々ハードな道のり。上りきるとデデンと橋が現れて、手前に自転車用の立派な料金所もある。通行料は50円!
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d0065332_21275176.jpg多々良大橋
この橋の真ん中が県境だ。
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半年前に、愛媛側からこのルートを見た。その日は凍えるような冬の日だったけれど、今回はオーブンみたいな炎天だった。遠赤外線から紫外線まで、あらゆる色の光を浴びながら、自転車をこぎ続けた。おかげで肌はすっかり真っ黒焦げになったけど、底抜けに気持ちがいい夏の日だった。
今回、尾道から渡ったことで、新しい街と街の繋がりを発見できた。島々に点在する造船工場や斜面のみかん畑から、四国と中国地方のゆるやかな繋がりを感じた。道中振り返ると、島の間から尾道が覗き、坂の多い尾道がこの「しまなみ」の延長にあるんだなんてことも初めて実感できた。

d0065332_21325377.jpg芸予諸島の名物はタコ。タコ好きな小生にはたまらない光景で、タコのコース料理に加えて、タコノコ(タコの卵)を追加注文してしまった。どれも新鮮でうまかった。特に、お吸い物のつみれと、タコイボのから揚げが絶品だった。

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次回は、この旅最大の衝撃の風景について。これまた、すごかったんだ。
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by neko1dozen | 2008-08-18 22:42
旅の前に
妹がスペインから帰国した。所属するバレエ団の代表として、同国の8都市で躍ってきたんだという。すべての公演が屋外、それも夜だったらしく、ずいぶん盛り上がったらしい。バレエで盛り上がるって感覚がイマイチ掴めないけれど、野外フェスみたいな感じなのかな。さすがはラテンの血だ。セゴビアINのビルバオOUTって行程も熱い(ビルバオは今行きたい街ベスト10には確実に入る街だ)


妹に限らず、この時期は色々な人の旅話を聞く。名古屋一周、全国一周、世界一周、みんなそれぞれのスケールで旅をしてる。どの話を聞いても足がうずいて、目がぎらついて、涎が出て、もう仕方なかったけれど、今度は小生の番だ。

たったの4日間だけれど、広島・岡山へ。小生スケールの旅をしてこよう。とびっきりの風景を捕まえてこようか。
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by neko1dozen | 2008-08-14 01:15
風景と絵について、雑感
ナウシカみたいに壮大な風景だとか、トトロみたいに懐かしい風景だとか。目の前の風景を、ついつい宮崎アニメで喩えたくなるのは、小生だけじゃないと思う。

NHKのプロフェッショナルって番組、「宮崎駿のすべて~ポニョ密着300日 ~」を見た。宮崎監督の「作品が自分の想像力を超えたものになる」「登場人物は頭の中で今も成長してる」なんて言葉を聞いていると、現実の空間を作ろうとする我々よりも、よほど空間に対してリアルに接している気がして、うらやましかった。

それにしても絵コンテがきれいだった。ラフだけど、滑らかな線に淡い色がのせられていて、それだけ見ていてもワクワクした。きっと宮崎監督も自分の描く線にワクワクし、それをバネにして、さらに想像力を膨らませているんだと思う。
小生が今している仕事がこれからどうなるかわからないけれど、自分がまずワクワクするような文章と絵が書けるようになりたいと思う。そのために1つ。落ち着いた梅雨の頃からは、毎晩植物のスケッチを1日1枚書くことを始めた。もっぱら絵心なんてないから、ワクワクどころか落ち込む一方だけれど、毎晩コピック(こいつが強敵!)や色鉛筆なんかと戦ってる。うまく描けなくてもいいけれど、ワクワクできる色と線は描けるようにはなりたい。



どうでもいい話。
ポニョは先々週に見た。評判は知らないけれど、トトロみたいな作風で小生は好きだった。人物の表情がいい。特に、主人公のソウスケの母、リサののびのびとしつつ喜々としている雰囲気が好きで、車の運転シーンなんか、「Mr.ビーン カンヌで大迷惑」って映画で、エマ・ドゥ・コーヌがMINIを運転するシーンとかぶって見えた。それにしても、あの映画の光景もまぶしすぎる。
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by neko1dozen | 2008-08-05 23:48
白山で見た、七色の夕焼け
富士山、立山とともに日本三名山(三霊山)の一つ、白山へ(08.08.2-3)

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○福井勝山からのルート
初トライということで、もっともメジャーなルートをたどって最高峰の御前峰を目指した。山頂での眺望こそ拝めなかったけれど、ヘンテコな天気と仲間のおかげで、これまで見たことのない風景と出会うことができた。感謝。
(旧友2人と一緒に登ったということもあり、高2の時の南アルプスの夏山と雰囲気が似てた気がする。道中は一人が意味なくバテたり、「世界遺産」の山手線ゲームしたり、夕食は夏野菜カレーきしめんだったり、山なのにポニョについて熱く語ったり、ノルウェイの森の映画化のキャスティングを考えたり、取り留めない、相変わらずの雰囲気が楽しかった。)

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○南竜ヶ馬場周辺
それまで立ち込めていたガスが流れ、青空がガバァっと現れた。これぞ夏山マジックというもの! ガスが晴れると、眼下には深い緑の高原が現れて、風と水が穏やかに流れてった。


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○甚ノ助避難小屋からの夕焼け
生まれて初めて、七色に輝く夕焼けを見た。眼下の森は紫に浸かっていた。空はオレンジと青が圧倒的に広がる中で、雲と水平線の間には黄から緑のグラデーションがしっかりと見えた(写真にしてしまうと、わからなくなってしまうのが残念!) 夕焼けの空に緑色が見えるなんて、信じられなかったし、それも星新一の小説を連想させるような、宇宙をイメージさせる緑色だった。

この日の夕焼けは、天国にも地獄にも見えた。ただただ美しくて見入った。いや、風景バカな人種には天国も地獄も大差なくて、よしんば本物の地獄の風景を前にしたとしても、天国に感じるかもしれない。そんなことを思ったりもした。
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by neko1dozen | 2008-08-03 23:18
勝山の風景(通算500本目)
最近は足踏みしがちだったけれど、これをもって500本目のブログ記事となった。イチローに並ぶには、もう少し時間がかかりそうだけれど。これからも猫なりに書いてこうと思う。


d0065332_23263838.jpg○勝山橋



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福井のお国自慢は地味だった。全国で唯一ジャスコが無い県だとか、民間アパートの広さ日本一とか、メガネの生産が日本一とか、一世帯あたりの自動車保有台数が日本一だとか。福井在住の友人が説明してくれるんだけれど、「へぇ、そうなんだ~。でっ、それで?」としか、返せなかった。お国自慢に関しては、日本一会話が途切れがちな都道府県かもしれない。
そんな冴えない(失礼!)県だけれど、風景とご飯は抜群だった。特に新鮮な海の幸と、勝山の風景には、心の琴線をビンビンと打ち鳴らされてしまった。ところで勝山は、名峰白山を挟んで郡上八幡に面している。自分の土地勘がぐるりと反転するようだけれど、勝山も水の街。大清水と呼ばれる水の沸き場所を見たり、郡上八幡にある水舟がかつて勝山市内にも存在していたと聞くと、確かに繋がってるってことが実感できた。

d0065332_019439.jpg○大清水
(勝山市内)

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d0065332_033747.jpg初めて見るはずなのに、なぜか懐かしかった。。

d0065332_033271.jpg○大清水
(大野市内)
d0065332_0335539.jpg部活帰りかな。地元の中学生達がほてった足を冷やしてた。

橋にせよ、大清水にせよ。ここでは地元の人々が何気なく使っている姿が、どんなに多くの観光客でにぎわうよりも魅力的な風景に思えた。



今週末も福井へ。18きっぷも、そろそろ2枚目買っとこうか。
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by neko1dozen | 2008-08-01 01:14


街と山と猫と        おいしいごはん
by neko1dozen
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