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春の児ノ口公園(愛知県豊田市)
「市外からも、ここの桜を見にくる人がいる―」
ずいぶん前のGSのシンポジウムで、この公園の特集が組まれた。その時に豊田市の方が話された言葉をふと思い出し、見に行くことにした。

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桜は五分咲きくらい。来週の週末が見頃になると思う。曇りという天気もあって、桜より、黄色い菜の花がよく映えていた。桜については、多種類の樹木に囲まれ、地形に富み、芝も荒いので、公園の桜というよりは、山の桜の見ているようだった。ベンチに腰掛け、眺める春の風景が美しかった。

d0065332_7515765.jpg路肩に咲く菜の花
d0065332_0142842.jpg公園の境界
(縁は枕木、植栽はカナメモチ)
d0065332_0173338.jpg園路
(脇に素堀の排水溝)
d0065332_0135485.jpgベンチのような石
d0065332_029832.jpg心地よい音を放つ堰
(近くに小広場)
d0065332_2284554.jpgせせらぎ内の小路、
丁寧に修景された橋

d0065332_015126.jpgトイレの貼紙

この公園にやってきたのは2度目だった。1度目は7年前、学部2年の冬で、その時には何を見たらいいのか分からず、とても困った。その頃よりは多少なりとも分かるようになったのか、1つ1つのディテールの意味、理由、すごさがぽっかりと浮かんでくるようだった。また、いい意味で、あいまいで、いい加減で、さりげない、セルフビルドのカケラ達がキラキラしてた。トイレの貼紙一枚にも愛を感じて、いやはや、まぶしかった。

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早朝に公園に訪れ、スケッチと採寸と写真で昼前まで過ごし、そろそろ去ろうかというところ、研究室の後輩のFくんとばったり遭遇した。聞くと、とあるワークショップからの帰りがてら見にきたらしい。すごい確率だと笑い合った。
その確率に驚くというよりは、風景の力はすごいなーとしみじみ思った。最近、ほんとに風景の神様がいるような気がする。いや、真面目な話。
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by neko1dozen | 2010-03-29 02:05
一生の仕事
祖父の一周忌がてら、現地調査をしてきた。

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新しい墓地の設計を、寺の副住職である従兄戚から持ちかけられた。お寺の墓地が手狭になったから、隣のミカン畑を更にして、墓地を拡張するのだという。小生一家のお墓も、祖父が眠るお墓も、今の場所から新しくできる墓地に移動させるらしい。



…やらないわけがない。快諾。



そんなわけで、喪服の小生と僧侶姿の従兄弟の2人で、敷地であるミカン畑を現地調査してきた。敷地は300㎡弱、昔よくミカン投げをして遊んだ場所でもあって、無くなるのは少し惜しい気もする。
ここをどうしていくべきか、これから考えていく。予算の都合や檀家さんの意向もあるので、どこにでもある普通の墓地になる。ほんとに普通のやつ。けど、そこにちょっとした心配りを盛り込めてけたらいい。


それにしても自分や家族が入る墓地を設計できるなんて、スカルパみたいだ。
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by neko1dozen | 2009-10-31 20:22
おめでとう、なのかな。ともかく、ほっと一安心。



それにしても宮崎監督は街について、すばらしいことを色々言ってた。
本職の小生も負けずに頑張らないと。
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by neko1dozen | 2009-10-02 02:11
Ironbridge(England)
ロンドンから特急列車とバスを乗りついで3時間。その名も「アイアンブリッジ渓谷」という渓谷にその橋はあった。どうしても見たかった橋だ。

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世界初の鉄の橋が、どうしてこのデザインなのかを知りたかった。木造に似た架構、変に凝った装飾、不合理な構造。。。なんだかよくわからない。なので見てきた。

この橋の生い立ちは複雑だ。当初の設計者は着工前に亡くなり、その後出資者の手によって大幅にプランが修正されてる。複雑な家庭で育てられた子供みたいな橋で、未熟な技術と、そんな大人の思惑によってこの姿が生みだされたのは間違いない。で、その設計当初の図面というのを現地の資料館で見ることができた。これが面白かった。

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当初のプランは驚くほどシンプルだった!(橋の袂のビジターセンターにて)



いや、この当初のプランは橋に見えなかったのかもしれない。今でこそ、鉄の細いラインの細さは見慣れたものだけど、木と石しかなかった当時は恐ろしく頼りなく見えたんだろう。そして、計算の上では成り立つとわかっていても、不合理な入り組んだ線を書き足し、堂々たる立派な装飾を施した。近代技術への不信、わかりやすい姿(シンプルさ)への不安が、このような不思議な橋を生んだのかもしれない。


d0065332_2140378.jpg橋上にて。舗装は最近新たに施されたもの。
d0065332_21404789.jpg高欄に刻まれた「1779(竣工年)」の文字。


d0065332_2153771.jpg周囲の街。
d0065332_22301623.jpg近くのパブで飲んだアイアンブリッジビール(この旅で一番おいしかったエールビール)
d0065332_21534153.jpg近くの畔で出会った黒猫(この旅で一番かわいかった猫)

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by neko1dozen | 2009-09-13 21:55
お節介
週末、ひさびさに完徹をして、1枚の画を描きあげた。その画が打ち合わせで好評だったと聞き、ほっと胸を撫で下ろした。

某市の緑の将来像。市域全体のスケールの大きな画だったけど、人を描き込むように心がけた。それがうまくいった。どんなスケールでも、どんなテーマであっても、人の表情や行動がわかる表現はつくづく大切なことだと思う。

仕事で画を描く機会はまだまだ少ない。今回も小生の業務じゃなかったけど、面白そうだったので勝手を言って描かせてもらった。「そんなに真剣にやる必要なんてないから」なんて上司にホローされたら、ガッチリやるっきゃないもんね。半ば意地で描きあげた。お節介もたまにはやいてみるもんだ。



以下、最近出会った使える本。

d0065332_1502696.jpgレイアウトデザイン―レイアウト基本マニュアル(南雲 治嘉 著)
レイアウトの教科書。これだけ丁寧にまとめられている本は他にない。買い。


d0065332_1523933.jpg水彩イラスト素材集
ちょくちょく使ってる。


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まち本(札幌市)
まちづくりの解説本。おもしろい。ダウンロード

d0065332_1514066.jpgスタジオジブリレイアウト展
ある方に紹介してもらったジブリのレイアウト図集。安くて、ボリュームたっぷり、とてつもなく上手い1冊。

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by neko1dozen | 2009-09-02 00:32
風景の神様(吉野川第十堰)
「行きたいと思い続けている場所には、いつかきっと行くことができる。
神様は私達をしっかり見ていて、思わぬ形でその場所に導いてくれる。」

徳島の高開集落を目指す車の中で、先生はそう教えてくださった。

その言葉を聞きながら、自身の今行きたい場所のリストを想像した。それは、神様も頭を抱えてしまうほど、めちゃめちゃ長いリストになるに違いない。2アップ両面刷りにしてもまだ分厚く、しかも今後も増え続けるであろう厄介なリスト。それを手に、一体どこから行かせたらいいものかと途方にくれる、慣れない旅行代理店の店員のような神様の姿が思い浮かんだ。



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吉野川第十堰
(徳島県上板町・石井町)

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高開集落からの帰り道、吉野川第十堰に出くわした。
まさにそれは、学生時代に先生から「社会基盤の整備に携わる人間として一度は見ておくといい」と教えられた場所だった。機を逃して、忘れかけてもいた場所だけれど、今こうしてその場所に立っている。美しい吉野川の夕暮れを前に、あぁ、こういうことなのかと実感した。

風景の神様、どうもありがとう。吉野川では、あと美馬市脇町、祖谷渓と剣山、それから池田へそっこ大橋あたりがまだなので、そのうち連れてってください。
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by neko1dozen | 2009-06-27 18:55
高開集落(徳島県吉野川市)
d0065332_9533956.jpgすごっ晴れの金曜日、
孤高の集落を訪れた。


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「ひょえ~」と、思わず声が出てしまうくらいの急斜面に集落はあった。石積が幾重にも続き、古く立派なお宅と小さな畑を守っていた。集落内に3軒のお宅があって、それぞれに屋号がつけられている。もっとも高い場所にあるお宅は「空(そら)」というらしい。

ここの石積には寿命があると聞いた。うまく積めば200年300年、普通なら100年、素人が積めばものの数十年で崩れてしまうらしい。もっとも、人生80年、コンクリート100年って比べてれば、そのスケールったら半端ない。

ともかく、その寿命ある石積には絶えず世話が必要なわけで、その世話をこの集落に住む、たった1人の方がされていた。石積のほか、畑や山林の世話など、集落のあらゆることを担がれている、いわゆる何でも屋の方だった。その方に話を聞かせてもらったんだけれど、これがまた目から鱗。1言1言が、まるで忘れてた思い出のように、心を打つ強さをもっていた。

「石積もやり方も、道具の使い方も、誰が教えてくれたというわけではない。見よう見まねで覚えいった。」
「大切な道具は自分の頭で考えて、自分の手でつくる。店で売ってるものだからって信用したらダメだ。」
「その日が晴れたら畑や石積の手入れ、雨が降ったら道具の手入れ。訪れる人がいれば、仕事をとめて集落を案内する。」
「訪れる人は、1人の方でも案内する。そうして人が喜んでくれることが、いきがい。」



いやはや、すごい。理論や設計図に基づくエンジニアリング側の人間からみると、こういう人や仕事って、異世界のモノに思える。人1人の手でできることってこんなにあるんだと、憧れの眼差しでみてしまう。
けれど、この日、人を感動させうる仕事の根底にあるのは、思いやりと経験とエネルギーなんだと思った。めちゃめちゃシンプルな結論だけど、思いがけない励ましをもらった気がした。よし、小生は小生のやり方で日々がんばっていこう。
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by neko1dozen | 2009-06-20 11:12
北の友人のメッセージ (JR岩見沢駅)
北海道に住む友人から、うれしいメッセージと写真をもらった。

JR岩見沢駅で、小生の名前入りのレンガを見つけてくれたという。
というのは、この駅は昨年に駅舎がリニューアルされていて、それにあたって新駅舎の建築で用いるレンガについて、一般市民からの寄付を募るプロジェクトが行なわれていた。
縁があって、小生も1つ寄付させてもらっていた。昨年のこの駅を訪れた時には仮オープン時でまだレンガは見れなかったけれど、先日この駅を訪れた友人がこれを発見して、メッセージをくれたわけだ。なんだかたまらなくうれしかった。 

5,000コに近い数のレンガから、小生のレンガを見つけて出してくれた友人に、
なのに、自分自身が寄付したレンガを見つけられなかった友人に、
心から感謝と哀悼の意を表したい。


今度は、小生が彼の名前を見つけに行かないとね。

d0065332_1435050.jpg岩見沢駅/workvisions
(写真は昨年6月)
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d0065332_22335893.jpgneko1dozenレンガ
(友人撮影)





それにしても、昨年のこの時期、論文発表もかねて行った北海道の風景はよかった。来週、同じ学会の論文発表を聞くため徳島に行ってくる。北海道に負けない風景を見つけてきたいな。


(以下、昨年見た北海道の風景)
d0065332_1321144.jpg北大キャンパス

d0065332_1332185.jpg精通川 
(07景観・デザイン賞優秀賞)
ポプラの綿毛が、雪のように舞っていた。
d0065332_140581.jpgタウシュベツ橋梁

d0065332_20815.jpg釧路平野のリスくん
d0065332_155154.jpg水の教会/安藤忠雄
d0065332_1415295.jpg十勝平野とオンボロバス
d0065332_1551510.jpg茂漁川 
(06景観・デザイン賞優秀賞)


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by neko1dozen | 2009-06-07 22:48
学びの森(岐阜県各務ヶ原市)
とびきりに晴れた週末。自転車を飛ばして、各務ヶ原に行ってきた。

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草むらで、子ども達が網を片手に駆け回ってた。
カフェで、見知らぬ人同士が話し始めた。
大きな木の木陰で、同じ世代のカップル達が抱き合って眠っていた。
歩道橋で、小学生達が「これって歩道橋?」「何かかっこよくない?」なんて話してた。
芝生で、中学生達がゴールの代わりに自転車を並べ、裸足でサッカーを始めた。


こんな風景が街のド真ん中にある、そのことにたまげた。北大のキャンパスにちょっと似てたかもしれない。のびのびとしてて、一見散文的なようだけど、死んでるスペースはなくて、場がとても活き活きとしてた。
かけ値なしにすばらしい公園だった。こんなデザインを見ていると、つくづく洋風・和風とか、子供向け・若者向けとか、モダン・レトロとか、そういうカテゴリーでデザインを捕らえたり、プレゼンするのって、馬鹿げてると思う。いいものはやっぱりいいし、気持ちいいんだから。



ところで配属が少し変わった。これまで公園緑地に関する計画系の業務が多かったけれど、今期からは設計寄りにかわることになった。本来の希望に近いことができるといいけれど、どうかな。



d0065332_1049222.jpg園内のカフェ
コーヒーを頼むと、おいしいスポンジケーキがついてくる。朝はモーニングもやってるんだとか。またいきたい。

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by neko1dozen | 2009-06-05 01:48
片山津温泉(石川県)、福井市(福井県)
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富山から、石川、福井へ。
旅はまだ続く。


○片山津温泉(石川県)
砂走公園

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 ほほえましい、という感情ではない。子ども達がけなげだった。すさんでしまったこの温泉街の真ん中にあって、シャッター街やら風俗街やら間近に迫っている。街の疲弊が目を閉じても伝わってくるような場所に公園は用意されていた。
 シンプルながら、丁寧につくられた公園だった。ただ広い芝生を敷くだけでは、子ども達は駆け回らなかっただろう。ただのベンチではそこでの遊びは生まれなかっただろう。ただの池なら、水辺に何度も近づくことはなかっただろう。そこには、できる限りの「自由」が用意されていた。
 子ども達がけな気ならば、デザイナーもけな気だ。解決すべき圧倒的な問題を肌で感じながら、それを一旦保留した上で、1つ1つの形をつくり、そこに意味を宿し、人々にその意味を伝えなければいけない。今小生が身をおいている立場では、とてもそこまで踏み込むことはできない。


○福井市(福井県)
足羽神社の枝垂桜d0065332_0431748.jpg

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by neko1dozen | 2009-04-07 00:00


街と山と猫と        おいしいごはん
by neko1dozen
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