下りの新幹線で掛川を通り過ぎると、すぐ左手(南側)に資生堂の工場群が見える。その一角に芝生のマウントがあって、それに埋もれるように小さなギャラリーがある。新幹線をモチーフにした唯一無二の建築、それを見に行ってきた。
資生堂アートハウス。 80年の建築学会賞。谷口建築の中でも初期のもので、円と直方体をつないだ、とてもシンプルなギャラリー。線路をはさんで掛川市庁舎(確か日建設計だったと思う..)と向かい合ってる。 見所は横に長いミラーガラス。走り去る新幹線を、外ではスクリーンとして映し出し、内では切り取ってギャラリーの一部にしている。館内にはコルビュジエのLC1が並んでいて、ゆったりと腰掛けながら、芝生の上を滑るように走り去る新幹線を眺められる。キュオ~ンという不思議な残響が残って、これまた心地いい。なんとまぁリッチなこって。 内観は撮ることができなかった(受付でずいぶん粘り、3回断られて諦める) ネットの拾い物より。 谷口吉生にとっては処女作ということもあり、他作品とかなり違って見える。シンプルな平面構成、回り込ませるアプローチ、建物ボリュームの埋め込み、場内の細かいUP&DOWN… どちらかといえば安藤忠雄の近作のお馴染みのボキャブラリーが並ぶ。構成はずいぶん違うけれど、長野にある小海高原美術館を思い出させた。タイルを剥すと、きれいな打ちっぱなしコンクリートがひょっこり出てくるんじゃないのかね。 夾竹桃の茂みの先に…おおっ、500系! この流線型の車体を静岡で見れるのも、とうとう後6日になってしまった。 なんだかオシャレなグレーチング。個人的に一番目がいった。 エンタランス部、境界がもやもやっとした芝生が好き。 天気予報で晴れと聞いて電車に飛びのったら、熱海くらいで曇り始め、掛川に着く頃にはパラパラと雨が降り始めた。いやはや、せっかくの芝生なのだけれど、(枝豆といえばビールだし、芝生といえば青空なのだ) また晴れたときにでも、のんびりと遊びにこよう。 (規模自体は小さいアートハウスなので、これ目当てだともの足りないかもしれない。掛川に用事がある時に小一時間寄るくらいがちょうどいいと思う。掛川に用事があるってのも相当レアケースだと思うのだけれど、そんな時には。)
by neko1dozen
| 2007-06-24 17:23
| 旅・建築迷子。
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