身内の玉突き事故ならまだしも、後輩や他大まで手広く巻き込み、多大なるご迷惑をおかけした昨年のシンポジウム。あれは本当に人災だった、今でもそう思えるのがすごい。
今年のホストは建築の有賀研なのだけれど、有賀研自体何をしているのか今一つわからない研究室なので楽しみでもあった。タイトルは「地域の力と技」ということで、デザイナーや建築家の参加が目立ってた気がする。 あと、昨年のホスト的には今年の出来というのは気になるものだけど、ポスター・フライヤーのデザインに関しては、「これは勝った」としたたかに思った(笑) 会場設営に関しても昨年の方が手が込んでて、佐々木研の「デザイン研究室」の看板は守られた!と勝手に思ってる。(今年の関係者のみなさんには、すみません) さて、中身の話。太田浩史さんの「Tokyo Picnic Club」がおもしろかった。 Tokyo Picnic Club 東京でのピクニックの可能性を模索してて、神宮外苑なんかの公園はもちろんのこと、中央分離帯の緑地や東京フォーラムなどの公開空地でピクニックシートを広げてる(前衛的なピクニック活動ゆえ、警察のお世話になることもしばしばなようだ)。ピクニックのために戦う、というのがとても素敵だ。 彼らはピクニックのための研究・開発の手も惜しまない。自らのピクニックを2種類に分類していて、Green Picnic(一般的な公園など)と BrownPicnic(道路や公開空地などでの、都会独特のピクニック)に分類して、特に後者のピクニックの可能性を激しめに模索してる。それぞれのピクニックに合う商品開発もしていて、そのユーモア精神は生半可ではない。 ユーモアって、すべての人の壁をぶち抜く力がある。これほど社会性のあるアプローチったら、ないと思うから、僕ら都市の人間はもっとマジメにユーモアを考えないといけない、そう改めて思う。 ただ、肝心なのは、ユーモアを生み出すことではなく、そこにいる人の心がぷるると揺り動かすような仕掛けづくり。これって言い方を変えれば、日本人がかつて得意としてた「しつらえ」って言葉なんだ思う。 ユーモアって方法を使うかは別として、この「しつらえ」ができる都市デザイナーでありたい、というのが、今回のシンポジウムのテーマの一つだった気がした。もちろん、これは今の小生のテーマでもあるわけで。
by neko1dozen
| 2007-07-09 16:09
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