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08/10 (インド、ダージリン・ヒマラヤ鉄道)
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インド北東部。ヒマラヤ山脈にも程近いダージリンの街から、麓の街まで。標高差約2000mの道のりを、避暑客と紅茶の葉を輸送するため、1880年に建設されたのがこのダージリン・ヒマラヤ鉄道だ。(世界初の登山鉄道として1999年に世界遺産に登録)

今も現役だけれど、道路が平行して整備されたことで、本来の実用的な価値は失われてしまった。なんせ表定速度は時速10km!車どころか、走る子供にも抜かれる。暇つぶしに飛び降りてインドタバコを一服しても、走れば追いつけるほどだ。おまけに、列車はしょっちゅう故障する。4年前、小生が乗ったときも予定を4時間遅れ、結局10時間かかって走破した。

近所によくいる、役たたずの老いぼれ犬。そんな風にも見えた。下校中の子ども達がじゃれて飛び乗ったり、飛び降りたり。故障した列車を運転手がハンマーでトンカン叩いて直したり。仕方ないヤツだなんて思いながらも、深い愛情をもってるみたいで、ほほえましかった。それは100年以上、毎日2000mを登りおりしてきた列車への労いの念なのかもしれない。

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余談。インドの鉄道はこの登山鉄道に限らず、遅延することで有名だ。朝に太陽が昇るのと同じくらい、当たり前に遅延する。旅中はずいぶん悩まされたけれど、聞くとこんな冗談があるらしい。

インドの列車はしょっちゅう遅れる。だから、人々は列車が遅れに腹をたたせることもなく、のんびりと駅や街で時間をつぶしている。それがある時、列車が時間通りに発車してしまい、乗り遅れた人々は口々に駅員に抗議した。
「いつも遅れるくせに、いったいどうしてなんだ。どう責任をとるつもりだ?」
すると、駅員はすました顔で、こう言った。
「ご安心ください。今の列車は昨日の列車です。今日のはまだまだずっと後ですから。」


今年の10月はこれくらいのんびり構えていきたい。
by neko1dozen | 2008-10-01 21:42
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街と山と猫と        おいしいごはん
by neko1dozen